「アスリートの創り方」で伝えたいこと

「アスリートの創り方」で伝えたいこと

◆ 結論

競技力を伸ばすために必要なのは、流行の練習を集めることではありません。自分に必要な要素を見極め、「なぜ行うのか」を理解したうえで、自分に合うトレーニングを選び続けることです。

● この記事のポイント
1
インターネットやSNSで練習方法を知りやすくなった一方、情報を選ぶ力が必要になっています。
2
誰にでも当てはまる唯一の正しいトレーニングはなく、その人の目的や状態に合う方法があります。
3
競技力は、身体能力、基礎動作、筋力、パワー、技術、コンディショニング、メンタリティなどから成り立ちます。
4
選手だけでなく指導者も知識を更新し、練習の表面ではなく「なぜ行うのか」を考えることが大切です。
5
このサロンでは、競技や立場を越えて使える考え方を学べます。必要に応じて個別指導にも対応します。
▮本文

記録を伸ばしたいと思ったとき、多くの選手は「どんな練習をすればよいか」を探します。速く走る方法、高く跳ぶ方法、遠くへ投げる方法、長く速く走る方法。技術を学び、練習方法を知ることは、競技力を高めるうえで欠かせません。

しかし、よい練習を知っているだけでは、必ずしも強いアスリートにはなれません。同じ練習をしても、伸びる選手と伸び悩む選手がいるからです。

「アスリートの創り方」を始めるのは、競技力を支える土台と、練習の意味を理解する大切さを、選手・指導者・保護者の皆さんと共有したいからです。

練習方法を知りやすく、選びにくい時代になった

近年は、インターネットやSNSの発展によって、誰でも簡単にさまざまな練習方法を知ることができるようになりました。世界のトップ選手が行うトレーニングや、専門家による解説を、その日のうちに見ることもできます。

情報を得やすくなったことは、大きな利点です。一方で、選手にとっては、似たような練習や正反対の意見が次々と表示され、「結局、どれが正しいのか分からない」という状況も生まれています。

また、日本の指導現場には、今も古い常識や指導者自身の経験だけに頼った考え方が残っています。もちろん、これまで積み重ねられてきた経験には価値があります。しかし、身体やトレーニングに関する知識は更新され続けているため、指導者も学びを止めてはいけません。

大切なのは、昔の方法をすべて否定することでも、新しい方法へすぐに飛びつくことでもありません。その方法が、目の前の選手にとって、なぜ必要なのかを考えることです。

POINT

誰にでも、どんな状況でも当てはまる、唯一の「正しいトレーニング」はありません。あるのは、その人の目的、課題、年齢、競技経験、身体の状態に合ったトレーニングです。

同じ練習でも、ある選手には必要で、別の選手にはまだ早いことがあります。今は効果的でも、成長や疲労の状態が変われば、方法を見直す必要があります。だからこそ、練習メニューそのものよりも、それを選ぶための考え方を学ぶことが重要です。

このサロンでは、流行している練習を並べるだけではなく、情報をどう見分け、自分や選手に合う方法をどう考えるのかを学べる場を目指します。

競技力は、一つの能力だけでは決まらない

競技力は、いくつもの要素が組み合わさって生まれます。主な要素には、身体能力、基礎動作、筋力、パワー、技術、コンディショニング、メンタリティなどがあります。

身体能力とは、速さ、持久力、柔軟性、バランスなど、身体が持つ基本的な力です。基礎動作とは、走る、跳ぶ、投げる、止まる、姿勢を保つといった、さまざまな運動の土台になる動きです。

筋力は大きな力を出す能力で、パワーはその力を素早く発揮する能力です。技術は、それらの力を競技の動きの中で適切に使う方法だと考えられます。

さらに、疲労から回復し、けがを防ぎ、よい状態で練習や試合に臨むコンディショニングも必要です。緊張する場面で集中し、自分の力を発揮するためのメンタリティも、競技力の一部です。

POINT

競技力は「技術か、体力か」の二つに分けて考えるものではありません。複数の要素が互いに支え合い、競技中の一つの動きとして表れます。

技術を身につけるには、技術を支える土台がいる

技術練習が悪いわけではありません。競技の動きを覚え、より効率よく力を発揮するために、技術練習は必要です。

ただし、教わった形をまねするだけでは、うまくいかないことがあります。その動きに必要な筋力が足りない、姿勢を保てない、身体を思い通りに動かせない、疲労でよい動きを繰り返せない、といった問題が隠れている場合があるからです。

注意

動きができない原因を、すべて「技術が低い」「意識が足りない」と決めつけないことが大切です。原因によって、必要な練習は変わります。

大切なのは、見えている動きだけでなく、その動きを支えている能力まで考えることです。土台が変われば、これまで難しかった技術を身につけやすくなることもあります。

「何をするか」だけでなく「なぜするか」を知る

練習では、メニューをこなすこと自体が目的になりやすいものです。しかし、本当に大切なのは、その練習で何を伸ばしたいのかを理解することです。

たとえば、同じジャンプ運動でも、姿勢を安定させたいのか、地面に大きな力を加えたいのか、力を素早く出したいのかによって、意識することや回数、休憩の取り方が変わります。

今取り組んでいる練習について、「何を伸ばすための練習か」「試合のどこにつながるか」を説明できるでしょうか。

目的が分かれば、ただ回数をこなすのではなく、動きの質や疲労の状態を見ながら練習できます。うまくいかなかったときも、別の方法を考えやすくなります。

種目が違っても、成長の考え方には共通点がある

陸上競技には、短距離、跳躍、投擲、長距離など、特徴の異なる種目があります。試合で求められる動きやエネルギーの使い方は同じではありません。

それでも、力を効率よく地面や道具へ伝えること、よい姿勢を保つこと、必要な動きを繰り返せる身体をつくること、練習と回復のバランスを取ることは、種目を越えて重要です。

種目ごとに表れ方は変わる

短距離では、短い時間で大きな力を出し、それを走る動きにつなげる必要があります。跳躍では、助走で得た速さを踏切で適切な方向へ変えることが求められます。

投擲では、脚や体幹で生み出した力を順序よく道具へ伝えます。長距離では、無駄の少ない動きを保ちながら、ペースに応じて力を使い続けることが必要です。

このサロンでは、種目ごとの違いを大切にしながら、その奥にある共通の考え方も扱います。自分の専門種目以外の記事から、成長のヒントが見つかることもあるはずです。

選手・指導者・保護者の皆さんへ

選手の皆さんには、記事に書かれた練習をそのまままねするだけでなく、自分の課題と結びつけて読んでほしいと思います。「自分には何が足りないのか」「今の練習にはどんな目的があるのか」を考える材料にしてください。

指導者の皆さんには、選手の動きを一つの原因だけで判断せず、複数の要素から見るために活用していただきたいと思います。同じ課題に見えても、選手によって原因と必要な働きかけは異なります。これまでの経験を大切にしながら、新しい知識も取り入れ、指導を更新し続けるための材料にしてください。

保護者の皆さんには、結果だけでなく、選手がどのような力を育てている途中なのかを知る手がかりとして読んでいただければ幸いです。成長には時間がかかるため、休養や食事、睡眠を含めた日々の支えも大きな力になります。

POINT

一つの記事を「正解」として覚えるのではなく、自分や選手の状態を観察し、考え、対話するための材料として活用してください。

このサロンの記事の読み方

まずは、自分が気になっているテーマの記事から読んで構いません。そのうえで、記事の中に出てきた関連カテゴリーにも目を向けてみてください。

たとえば、走り方の悩みが基礎動作や筋力の記事につながることがあります。試合で力を出せない悩みが、メンタリティだけでなく、疲労や睡眠の問題につながることもあります。

記事を読んだら、練習前に一つだけ試すことを決め、練習後に何が変わったかを振り返ってみてください。一度で答えを出すのではなく、小さく試し、観察し、必要に応じて調整することが大切です。

記事では、多くの選手に役立つ基本的な考え方を紹介します。ただし、実際に何を優先すべきかは、一人ひとり異なります。自分だけでは課題の整理や練習の選択が難しい場合には、現在の状況を確認したうえで個別に指導することもできます。

記事で全体の考え方を学び、必要に応じて個別指導で自分に合う形へ落とし込む。この二つを組み合わせることで、情報に振り回されず、納得して練習に取り組めるようになります。

これから「アスリートの創り方」で扱うこと

今後は、短距離、跳躍、投擲、長距離、筋力・パワー、基礎技術・運動神経、コンディショニング・メンタリティなど、各カテゴリーの記事を体系的に増やしていきます。

一つひとつの記事は特定のテーマを扱いますが、記事同士はつながっています。技術だけ、筋力だけ、メンタルだけを見るのではなく、競技力の全体像を少しずつ理解し、自分に合った方法を選べる場所を目指します。

アスリートは、技術だけでつくられるものではありません。
身体能力、基礎動作、筋力、パワー、技術、コンディショニング、メンタリティなどを、つながりの中で考えることが大切です。
練習では、「何をするか」と同じくらい「なぜするか」を大切にしましょう。
万人に共通する唯一の正解を探すのではなく、目的と自分の状態に合う練習を選ぶことが大切です。
記事を、考えるための材料として使ってください。
選手、指導者、保護者が同じ考え方を共有し、よりよい成長につなげていくことが、このサロンの願いです。

アスリートの創り方

How To Create Athlete

結果を変えるのは
フィジカルだ

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